2013年07月31日

『3月10日』制作室とはどんなプロジェクトか ―OPEN JAPAN ニュースレター「BOOMERANG」より―

震災から2年目の夏にむけて、『3月10日』制作室の活動を積極的にすすめていきます。
今回は、OPEN JAPANで発行しているメールニュース「BOOMERANG]に寄せさせていただいた記事を転記します。

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OPEN JAPANの清野和彦(キヨ)です。

この4月から、OPEN JAPANの事務局スタッフをさせていただいています。

私は、OPEN JAPANの新しいプロジェクト、自分史で福島を書きのこす
「『3月10日』制作室」を担当しています。
今回のBOOMERANGでは、『3月10日』制作室とはどんなプロジェクトか
お伝えさせていただきます。

〇「3月10日、あなたは何をしていましたか?」
福島第一原発事故による放射能汚染の影響で、福島県内では、事故前に
住んでいた故郷に戻ることが出来ず避難生活を余儀なくされている方々が
たくさんいらっしやいます。

『3月10日』制作室は、避難を余儀なくされている方のお一人お一人の
人生を「自分史=いのちの物語」として一冊の本にして、次の世代に伝え
遺す活動に取組んでいます。

自分史を編んでいく扉を開く「鍵」として、
「震災の前日、3月10日にあなたは何をしていましたか?」
という質問をさせていただいています。この質問通じて、その方の震災前の
日常の姿が見えてきます。

「あなたが生きた時代はどんな時代でしたか?」
「あなたの夢はなんでしたか?」
「あなたが子や孫に伝え残したいことはなんですか?」

数か月間のやり取りを通じて、一緒に自分史を編んでいきます。

〇自分史で福島をかきのこそう
『3月10日』制作室では、震災の経験だけではなく、その方の人生を
通じた自分史を作成します。

「生まれた場所はどんな場所でしたか?」
「子供の頃はどんな遊びをしましたか?」
「楽しかったことはなんですか?」
「大変だったことはなんですか?」

たくさんの方の自分史を編むことで、いまは人が住むことができ
なくなってしまった故郷の日常の風景や人々の営みを伝え残そうと
しています。その歴史は、特定の立場からの一方的な歴史ではなく、
それぞれの方の人生に起点をおいた歴史になるはずです。
それは多様な動植物で成り立つ自然の森のような歴史でしょう。

〇誠実な歴史をのこす文化を日本につくる
古代から人類は「歴史を書きのこす」ということに取組んできました。
壁画や粘土板、パピルス、木簡や竹簡などをつかって、歴史や教訓
をかきのこすことに取組んできました。

歴史の編纂は、共同体の政治を司る者にとっての一大事業でした。
なぜなら歴史を編纂するという事は「自分たちが何者であるか?」
について、「その時何が起こったか?」について大きな力を持つこと
だからです。福島第一原発事故も、後世になれば権力をもった人の
視点で歴史として編纂されていくでしょう。

『3月10日』制作室は、権力を持った人側からではなく、一人一人の
いのちの側に立った、誠実な歴史を書きのこす文化を日本につくること
を目指しています。

現代、私たちには、パソコンやインターネットがあります。「人々の記録を、
人々が編む」ということが技術的に可能になっているのです。

〇お墓参りの文化を変える!
仏教のお墓参りにいくと、墓標には血のつながった家族の戒名が
書かれています。祖父母くらいまでは、どんな人だったかわかる
かもしれません、それでは曾祖父母や曾曾祖父母はどうでしょうか。
振り返ってみれば、祖父母や両親でさえ、どんな人生を歩んできたか、
ちゃんとは知らないこともあるでしょう。

『3月10日』制作室では、書いていただいた自分史を縁のある
お寺に保管してもらうことも目指しています。お墓参りにいくと、
お寺には曾祖父母の自分史さらにさかのぼったご先祖様の自分史
が保管されています。ご先祖様と自分史を通じて出会い、どのような
人生を歩み、何を決断してきたかがわかるようになるのです。

命あるうちに自分史を書きのこし、後世に伝えていきましょう。
このことは、未来を生きる子孫に大きな宝物を手渡すことになるはずです。

〇「自分史の紬手」募集! 一緒に活動しませんか?
現在は、『3月10日』制作室では、福島県南相馬の方対象に自分史
制作活動中です。
この秋からは、さらに双葉町、大熊町の方とも一緒に自分史を編み
出そうと計画しています。

8、9月の予定
◆8月17日〜27日 福島県南相馬市・埼玉県加須市騎西(双葉町避難先)
・福島県会津若松市(大熊町避難先)にて活動予定

現地での活動だけではなく、遠隔地でも活動に参加できます。
音声の文章化、記録された文章を本にしていくための構成、写真撮影、
イラストや写真の加工など、本を作り上げていくための作業をネット
を通じて分担してすすめていきます。自分史制作を通じて、あたたかい
人と人とのつながりをつくっていきたいのです。

『3月10日』制作室の活動を一緒に進めていきたい、と思われる方は、
ぜひご一報ください!活動資金へのご協力もよろしくお願いします!

<『3月10日』制作室 口座>
ゆうちょ銀行:記号18130 番号24550271
ゆうちょ以外:ゆうちょ銀行店名 八一八(ハチイチハチ)店番818
口座番号2455027 口座名 『3月10日』制作室

『3月10日』制作室ブログ http://20110310.seesaa.net/
facebookページ https://www.facebook.com/20110310seisakushitu
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2013年07月03日

田中徳雲さんとの出会い

人との出会いは、新しい大きな可能性を産み出すものです。
そのような出会いは、本当にうれしく、人生を変えていきます。

東日本大震災とそれに続く、福島第一原発爆発事故。
このような未曾有の状況の中で、南相馬小高区にある同慶寺の住職・田中徳雲さんにお会いできたことが、『3月10日』制作室にとって、とても重要な出来事でした。

福島第一原発から約16qの地点に位置する同慶寺は、
歴代の相馬藩主が菩提寺としてきた、曹洞宗のお寺です。
住職の田中徳雲さんは、若く、精悍で、社会の諸問題にも目をそらさず行動をされる御坊様です。

IMG_7403.JPG

「自分史を次世代のために、伝えのこすために、お寺や神社で保存できないだろうか」という考えが、プロジェクトの準備段階から私たちの中にはありました。
そのために、最初の一歩を踏み出して頂ける、適任の方はいらっしゃらないか。
その時に、2012年の11月に、アメリカの先住民・ネイティブアメリカンの精神的リーダーであるデニス・バンクス氏を南相馬にお迎えし、セレモニーを行われた、田中徳雲さんを思い出したのです。

「このはじめの一歩、田中徳雲さんなら、踏み出してくださるかもしれない。」

そのような想いで、2012年の年の瀬迫る12月30日 南相馬・同慶寺を訪問させていただきました。

「まず、私が書きましょう。」
徳雲さんのその一言がとても嬉しかった。

徳雲さんは、南相馬での世話役を引き受けて下さり、お寺の檀家さんにも「自分史を書きのこしませんか」というよびかけをしてくださっています。

徳雲さんの自分史は、同慶寺の寺報に連載がはじまりました。

自分史を次世代に書きのこすこと。それが、書きのこす本人にとっても、
伝えられた子孫にとっても、かけがえのない「宝物」となる。

これからの『3月10日』制作室の発展を、長い時間をかけて、徳雲さんと一緒に進めて、見守っていきたいと思います。

P4150395.JPG

<制作室の活動に参加する>
原稿作成のお手伝い・聞き書きサポーター募集!(活動場所 石巻・南相馬など)

<制作室の活動資金に協力する>
ゆうちょ銀行:記号18130 番号24550271
ゆうちょ以外:ゆうちょ銀行店名 八一八(ハチイチハチ)店番818
口座番号2455027 口座名 『3月10日』制作室
posted by 『3月10日』制作室 at 11:12| Comment(0) | 南相馬市小高区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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